トレンド

VRアートってなに?有名なVRアーティストやVRアートを体験する方法を解説!

2025.10.27

VRアートってなに?有名なVRアーティストやVRアートを体験する方法を解説!

最近注目を集めているVRアートを知っていますか?

この記事では、VRアートの魅力や、VRアートを鑑賞・制作体験する方法などを解説します。VRアートのイロハを知りたい方は、ぜひご覧ください。

目次

    VRアートとは仮想空間上に作り出される3Dアートのこと

    VRアートとは、仮想空間上に描く3Dの芸術作品です。

    これまでのアートには、絵画や彫刻、インスタレーションなど多様な表現がありました。そこにVRの技術が加わることで、従来にはない、新たな可能性が生まれています。

    VRアートの大きな特徴は、現実世界の物理的な制約を超え、空間そのものをキャンバスのように扱える点です。

    例えば、重力を無視した浮遊するオブジェクト、絶えず変化しているように見える造形、作品の中に入り込んで鑑賞できるインタラクティブな表現などが可能です。

    また、VRヘッドセット(ゴーグル)やスマートフォンを使えば、360度あらゆる角度から作品を鑑賞できます。

    物理的なギャラリーを設けることなく、世界中の人が同じ空間でアートを楽しめるのもVRアートの特徴です。

    VRアートはVRヘッドセットと専用アプリで制作される

    VRアートを制作するには、VRゴーグルと専用のアプリが必要です。VRゴーグルの代表的な機種には、Meta Quest 3HTC VIVE XR ElitePlayStation VR2などがあります。

    VRゴーグルは制作中に自由に動き回れるよう、無線で使えるタイプのVRゴーグルが適しています。本格的な制作をするなら、細かいタッチが可能なスペックの高い端末を買うのがおすすめです。

    また、VRアート制作に使われるアプリにはさまざまな種類があり、特にペイント系のアプリは直感的に始めやすいのが特徴です。

    ペイントアプリの中には、VR空間上で2Dの絵を描くアプリもあれば、3Dの作品が作れるアプリもありますが、VRアートには、主に3D作品が作れるアプリが使用されます。

    代表的なペイントアプリとしては、以下の2つがあります。

    Open Brushでは、以下のようにVRデバイスを使い、現実の空間に重ね合わせる形で立体的な3D作品が作れます。

    CoolPaintrVRはPlayStation VR2用のアプリで、筆による描画だけではなく、オブジェクトの配置もでき、表現の幅が広がります。

    まずは使ってみたいアプリを決めてから、対応する機種を買うのもよいでしょう。

    日本を代表する2名のVRアーティスト

    日本だけではなく、世界でも活躍する2名のVRアーティストを紹介します。

    • せきぐちあいみさん

    • 伊東ケイスケさん

    せきぐちあいみさん

    せきぐちあいみさんは、2016年からVRアーティスト活動を行っている、VRアートのパイオニア的存在です。

    仕事の取材でVRデバイスに初めて触れたことがきっかけで、VRに熱中。作品をSNSにアップロードしたところ大きな反響を呼んだことから、VRアーティストの道へと進んだようです。

    これまで日本だけでなく、アメリカやヨーロッパ・アジア・中東でもパフォーマンスの実績があり、まさに日本を代表するVRアーティストと言っても過言ではありません。

    2021年には自身の制作したNFTが約1300万円で落札され、VR作品が芸術作品として評価され始めています。

    伊東ケイスケさん

    伊東ケイスケさんは、グラフィックデザイナーの経歴を経て、現在はXRアーティストとして活動している人物です。

    さまざまな角度から回り込んで鑑賞できる彫刻作品に魅力を感じていた伊東さんは、3D空間で表現できるVR技術に自身の表現の場としての可能性を見出し、VRコンテンツ制作に注力することになりました。

    VRと3DCGを使ったアニメーションをメインに、作品内のキャラクターとコミュニケーションを取ったり、視聴者の心臓の鼓動をVR空間内に表現するなどのインタラクティブな作品を得意としています。

    美大出身やグラフィックデザイナーとしてのバックボーンを活かし、これまで国内外の数々の映画祭に作品を出展。

    特にヴェネチア国際映画祭のXR/VR部門では、5年連続でノミネートされており、確かな実力を持つクリエイターです。

    VRアートを気軽に鑑賞・体験する方法

    VRアートを気軽に鑑賞・体験したい人に向けて、VRアートに触れる方法を解説します。

    • VRアートの体験会やオンラインサロンへの参加

    • ペイントアプリを使って作品制作

    VRアートの体験会やオンラインサロンに参加する

    実際にVRアート制作に挑戦してみたい人は、定期またはオンデマンド形式で開催されている体験会やオンラインサロンに参加するのもおすすめです。

    パフォーマーのキャスティングサービスで、VRアーティストも所属している「Tintroom」ではVRアート体験会を開催しています。

    参加はLINEで受け付けているので、興味のある人は問い合わせてみましょう。

    VRArt Academy」は、VRアートを動画で学べるオンラインサロンです。コミュニケーションアプリのDiscordを使って、誰でも無料で参加できます。

    Xのアカウントでは、オンラインサロン参加者の作品をポストしています。

    また、単発のイベントであれば過去に数回、VRアートの体験イベントが開催されています。

    まだ開催実績は多くないものの、GoogleやSNSで「VRアート 体験」などで調べると、参加できるイベントがみつかるかもしれません。

    興味のあるイベントがあれば参加してみましょう。

    ペイントアプリを使って作品を作ってみる

    VRゴーグルを持っている人は、ペイントアプリを使って実際に制作してみましょう。

    ここでは、Open Brushの機能や操作方法を簡単に解説します。

    Open Brushでは、左右のコントローラーを使ってパレットの切り替えや描画をします。

    約40種類のブラシや消しゴム、リドゥ(取り消し)機能などペイントに必要な機能が一通りそろっており、描いた絵は360度どこからでも鑑賞可能です。また、作品はパソコンに出力(保存)できます。

    ダウンロードは無料ですので、気軽に試してみましょう。

    VRアートは今後どうなる?

    VRアートが今後どのように発展していくのかを、次の2点から見ていきます。

    • VRヘッドセットの低価格化によりさらに普及が進む

    • アートの新たな楽しみ方として定着する可能性がある

    VRヘッドセットの低価格化によりさらに普及が進む

    VRアートは、技術の発達によるハードウェアの低価格化とともに、より普及が進むと考えられます。

    実際、2024年9月には、Meta社が前年発売した「Meta Quest 3」よりも200ドル安い「Meta Quest 3S」を発売しました。

    2025年2月現在、Meta Quest 3Sであれば5万円以下で本格的なVRゴーグルが手に入ります。

    また、VRアートの市場データはないものの、似た分野であるVRゲームの市場規模は、2024年から2032年にかけて30.4%の拡大が予測されています

    同じエンターテインメント分野であるVRアートも規模は違えど同様に拡大していくと考えれば、今後はVRアーティストの露出やイベントの開催もより増えると予想できます。

    アートの新たな楽しみ方として定着する可能性がある

    VRアートは、芸術作品の新しい楽しみ方を提案しています。

    たとえば、3Dの作品を絵を描くような感覚で作成できたり、VR空間で他の表現と組み合わせたり、動く作品も物理的な制約にとらわれずに作ることができます。

    また、360度から鑑賞できるのはもちろん、アート作品の中に入り込むような体験や、インタラクティブな体験も可能です。

    さらにVRアートは地理的制約を超えて作品を鑑賞できるため、海外に住んでいる人や、高齢者などで家からなかなか出られない人でも、アートを楽しむことが可能です。

    せきぐちあいみさんはVR空間上に美術館を設置しており、世界中から多くのファンが訪れています。

    多くの人に広く開かれているVRアートは、アートの新たな楽しみ方として今後定着していく可能性を秘めています。

    新しいアートの形!VRアートの魅力に触れてみよう

    VRアートは、物理的制約のない仮想空間で表現するアートであり、これまでにない新しい形のアートです。

    イベントや展示会に行ったり、ネット上でも気軽に鑑賞できる上に、VRゴーグルとペイントアプリがあれば誰でも挑戦することができます。

    新時代のアートの魅力に触れてみましょう。

    この記事を共有する

    関連記事