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メタバースとデジタルツインの違いは?活用事例や今後の発展について解説

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メタバースとデジタルツインはよく似た概念です。どちらも仮想空間を指す言葉ですが、両者の定義は異なります。

本記事を読んでわかることは、次の通りです。

  • メタバースとデジタルツインの違い
  • メタバースとデジタルツインの活用事例や今後の展望について

メタバースとデジタルツインは仮想空間の利用用途が異なる

メタバースとデジタルツインの違いは、次のとおりです。

メタバース

デジタルツイン

定義

仮想空間もしくは仮想空間を使ったサービス

仮想空間上に現実世界を正確に再現する技術

利用用途

コミュニケーションやエンターテインメント、経済活動など、ユーザーに仮想空間での体験を提供する

現実世界の対象物を仮想空間に再現し、シミュレーションや分析、予測、監視などに活用する

特徴

仮想空間への没入感が高く、ユーザー同士が同じ空間にいるかのような臨場感を味わえる

現実世界から収集した膨大なデータを仮想空間上で分析でき、現実世界へのフィードバックが可能

メタバースとデジタルツインには、仮想空間の利用用途に大きな違いがあります。

メタバースはビジネスシーンのみならず、コミュニティやエンターテインメントなど、人々の交流の場として広く活用されています。

一方、デジタルツインは、製造業や建設業などのビジネスシーンにおける利用が多いです。

ただし、メタバースにおいても、現実世界を再現した世界が存在しており、デジタルツインと重なる点もあります。

メタバースとは|アバターを介して自由に活動できる仮想空間や仮想空間を使用したサービスのこと

メタバースとは、メタ(超)とユニバース(宇宙)を掛け合わせた造語です。メタバースという言葉は、1992年に発表された小説『スノウ・クラッシュ』で初めて使われたとされています。

メタバースの特徴は、ユーザーが自身の分身であるアバターを用い、他のユーザーとコミュニケーションや商売などの経済活動をおこなう点です。

代表的なメタバースのサービスとしては、FortniteRobloxVRChatなどが挙げられます。

映画「レディ・プレイヤー1」の世界観のように、アバターを使って自由に世界探索や、他のユーザーと交流もできます。

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デジタルツインとは|現実空間の環境や物体をデジタル上で正確に再現する技術

デジタルツインとは「デジタルの双子」を意味し、現実世界と瓜二つの世界をデジタル空間に再現する技術を指します。

2002年、アメリカのミシガン大学のマイケル・グリーブスによって提唱されました。

デジタルツインは、主に製造業や航空・交通産業、都市計画などにおけるシミュレーションや、将来予測に使われており、ビジネス面での活用が活発になっています。

リアルタイムで情報を共有できるデジタルツインは、これらの産業において、リアルタイムでのデータ収集による素早い分析や、分析精度の向上、コストダウンなどのメリットをもたらしています。

メタバースの活用事例3選

メタバースの活用事例として、次の3つを紹介します。

  • αU metaverse(アルファユーメタバース)
  • REV WORLDS(レヴワールズ)
  • バーチャルマーケット

αU metaverse(アルファユーメタバース)|KDDIが提供するメタバースサービス

αU metaverse(アルファユーメタバース)

(出典:延べ来場者数1,000万人超の「バーチャル大阪駅 3.0」にKDDIが提供する「αU(アルファユー)」の出展が決定!|JR西日本

αU metaverseは、KDDIが提供するメタバース・Web3サービスのプラットフォームです。スマートフォンで簡単に遊べる手軽さが特徴で、Z世代のユーザーをメインターゲットにしています。

ユーザーは自身で作成したアバターを用いて、仮想空間で再現された渋谷や大阪の街を舞台に、他のユーザーとの会話や各種イベントを楽しめます。

特にユーザー間のコミュニケーションには力を入れており、実際に会って会話しているかのような体験が可能です。

αUでは、αU metaverseの仮想空間を軸に、次のサービスを展開しています。

  • αU live(バーチャル空間で音楽ライブを楽しめる)
  • αU market(リアルで使えるアートNFTなどが購入できるマーケットプレイス)
  • αU wallet(NFTや暗号資産の管理ができるウォレット)
  • αU place(リアルなショッピング体験ができる)

REV WORLDS(レヴワールズ)|三越伊勢丹が運営するスマートフォン向けのメタバースアプリ

REV WORLDS(レヴワールズ)

(出典:24時間営業の仮想伊勢丹新宿店を貸切!? 三越伊勢丹が提供するVRを活用したスマートフォン向けアプリ「REV WORLDS (レヴ ワールズ)」7月21日(水)よりコンテンツと機能を一部拡充|株式会社 三越伊勢丹ホールディングス

REV WORLDSは、仮想都市のコミュニケーションプラットフォームです。ユーザーはアバターを操作しながら店内の商品を見て回り、気に入ったものがあれば、その場で購入もできます。

また、実際に伊勢丹新宿本店に在籍している社員を元に作られたNPC販売員(無人操作のキャラクター)から商品やイベント情報も得られます。

各ショップでは、チャット機能を用いた販売員による接客を受けられるなど、実際の店舗で買い物をしているかのような体験が可能です。

バーチャルマーケット|大手企業も多数出展するメタバース上の世界最大級のVRイベント

バーチャルマーケット

(出典:130万人が来場する世界最大級のメタバースイベント『バーチャルマーケット2024 Winter』一般出展募集を9月6日(金)より開始! 待望の『MusicVket 6』も同時開催決定!|株式会社HIKKY

バーチャルマーケットは、メタバース上でアバターやアバターアイテムなどをはじめとするデジタル商品や、実物の商品を売買できる世界最大級のメタバースイベントです。

小売業界やエンタメ業界、自治体など、幅広い業界の企業や団体が出典しています。

例えば、アパレル業界では、BEAMSやWEGOなどの大手ブランドが出展しており、アバター用の洋服はもちろん、実物の洋服も販売。

これらメタバース上での接客を通じ、実店舗への送客にもつながっている事例も出てきています。

次回は2025年夏に開催予定で準備が進んでいるようです。パソコンやスマートフォンからでも参加できますので、興味のある人はぜひのぞいてみてください。

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デジタルツインの活用事例3選

デジタルツインの活用事例として、下記の3つを紹介します。

  • PLATEAU
  • Toyota Woven City
  • オービック御堂筋ビル新築工事

PLATEAU|日本全国の都市をデジタルツインで再現する国土交通省のプロジェクト

PLATEAU

(出典:現実の都市空間をサイバー空間に再現するProject PLATEAU、全国56都市の3D都市モデル整備とユースケース開発が完了|国土交通省 都市局 Project PLATEAU

国土交通省が主導するPLATEAU(プラトー)は、日本全国の3D都市モデルを作るプロジェクトです。

2025年2月現在、全国約200都市の3Dモデルが公開されています。

利用や再配布できるオープンデータとして公開することで、誰でも自由にアクセスができます。ARやVRなど様々な場面でも活用可能です。

また、プロジェクトとしてアワードやハッカソンなど、社会実装やユースケース創出に向けての場も提供されています。

都市データは、以下のような形で活用されています。

  • 交通量やルートのシミュレーション
  • 街づくり
  • バーチャル空間の街歩き体験
  • 災害リスクの可視化による、避難計画やルートの検討など

現在は地方自治体や民間企業による利用がメインですが、一般ユーザーも利用できます。

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Toyota Woven City|デジタルツインを活用したスマートシティ開発

Woven City

(出典:ENEOS、トヨタ、ウーブン・プラネット、Woven Cityを起点としたCO2フリー水素の製造と利用を共同で推進|ウーブン・バイ・トヨタ株式会社

Toyota Woven Cityとは、トヨタ自動車が静岡県裾野市で開発を進める実証都市です。

自動運転をはじめとする先端技術の実証実験をおこなう『テストコースとしての街』の開発を進めており、将来的には約2,000人の入居を予定しています。

この都市開発と並行して、同都市のデジタルツインの開発もおこなっています。

デジタルツイン上では、都市空間で起こりうる、現実では再現しづらい、次のようなシミュレーションを実施。

  • 交通事故や災害時の避難経路のシミュレーション
  • 自動運転車と歩行者の衝突回避シミュレーション

そこで開発・実証した技術を、実証都市であるToyota Woven Cityで開発し、社会での実用化を目指しています。

オービック御堂筋ビル新築工事|デジタルツインを活用し企画から竣工後の全フェーズで作業効率化

鹿島建設は、オービック御堂筋ビルの建設に際し、全フェーズでBIM(バーチャルで建物のモデルを再現する技術)によるデジタルツインを活用しました。

この事例では、企画・設計フェーズにおいて、デジタルツイン上でビル風シミュレーションによる風の流れを分析し、ビル建設後の歩行者への影響について、実証実験を実施。

施工フェーズでは、仮想空間と現実空間を複合させるMR技術を活用した施工状況の確認や工事プロセスのデジタル化、進捗管理などに活用されています。

また、維持管理・運営フェーズでは、鹿島建設のグループ会社である鹿島建物総合管理株式会社とBIMデータを連携し情報を共有。

さらに、日常点検から得られた情報などをビッグデータとして蓄積し、企画・開発にフィードバックするなど、新たな生産システムの構築に取り組んでいます。

メタバースとデジタルツインのこれから

メタバースとデジタルツインは、これまでそれぞれ独立した技術として発展してきましたが、近年では両者の境界があいまいになりつつあります。

中部電力では、メタバースとデジタルツインを融合させたプラットフォームを作り上げました。

デジタルツインの技術を活用し、コスト削減や生産性向上などを実現しつつ、プラットフォームの利用企業同士をつなぎ、ビジネス機会の創出をおこなうなど、メタバースの要素も含んでいます。

製造業分野での実証経験を積み上げたのち、他業界への横展開も視野に見据えており、メタバースとデジタルツインのそれぞれの長所を活用する形が、お互いの技術進化につながるのではないでしょうか。

メタバースとデジタルツインによる産業発展はすぐそこにある。まずは身近なバーチャル世界に飛び込んでみよう

メタバースとデジタルツインは定義が異なりますが、将来的には両者が融合して産業を発展させる可能性が開けています。

メタバースとデジタルツインの特徴を理解するためにも、まずは身近に仮想世界を体験できる機会を見つけると良いかもしれません。

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