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「XREAL Air 2」は人々のライフスタイルを変えてしまう究極のARデバイス

2024.07.10

「XREAL Air 2」は人々のライフスタイルを変えてしまう究極のARデバイス

昨今、SNSやYouTube動画などでも話題になっているARグラスについて、気になっている方も多いのではないでしょうか?

ARグラスは、実際に見ている風景の中にデジタル情報を映し出すことができ、まるでSF映画のような体験をすることができます。

しかし、実際に使ってみないことには、生活の中でどのように使えるのか具体的なイメージが湧きにくいことでしょう。

今回は、著名人にもファンを持つXREALシリーズの中から、ARグラス入門機にも最適な「XREAL Air 2」の使用感とどのようなシチュエーションで使えるかについてレビューします!

目次

    そもそもXREAL Air 2って何?

    (出典:XREAL Air 2|Amazon

    「XREAL Air 2」は、AR製品を多数手がけているXREAL社が販売するARグラスです。 

    簡単に言うと、スマートフォンやPC、タブレットなどの画面を空間上のディスプレイに表示できるサングラス型のデバイスで、まるで目の前に巨大なスクリーンが広がっているかのような臨場感や迫力が味わえます。

    XREAL Air 2単体では、スマホなどのデバイスとの有線接続による画面表示が主な機能となっていて、「有線で良いからとにかくグラスで動画や映画、スマホやPCのミラーリング画面を見たい」という場合はXREAL Air 2のみで楽しむことができます。

    ちなみに、XREAL Airシリーズには、XREAL Air 2に電子調光機能が加わったXREAL Air 2 Proという上位機種もあります。

    ▽XREAL Air 2 Proの詳細はこちら
    https://jp.shop.xreal.com/products/xreal-air-2-pro

    XREAL Air 2を拡張させる「XREAL Beam」とは

    さらに、同社が発売している「XREAL Beam」というデバイスを接続することで、以下のことができるようになります。

    ・様々な空間ディスプレイの表示方式(後述)が選べ、最大330インチまでディスプレイサイズを大きくすることができる(XREAL Air 2単体では130インチまで)

    ・XREAL AirシリーズとBeamを有線接続した状態で、AndroidスマートフォンやPCと無線接続ができる
    ※ただし、DRMコンテンツ(Netflix、Amazon Prime Video、Disney+など、動画配信サービスが提供しているデジタル著作権管理をされているコンテンツのこと。無線接続では再生できないように制限されています。)は有線接続でないと視聴できません。

    ・XREAL AirシリーズとBeamを有線接続することで、DRMコンテンツが視聴できるようになる
    ※機器接続のみ必要であれば、別売りのXREAL Adapterを使ってLightning端子対応機器やHDMI端子対応機器との接続が可能です。

    ・スマートフォン、PC、ゲーム機など、様々な機器と接続できる
    ※機器接続のみ必要であれば、別売りのXREAL Adapterやケーブルを使ってHDMI端子対応機器との接続が可能です。
    ※iPhone14以前のLightning端子対応機器の場合は、Apple純正の「Lightning Digital AV Adapter」(別売) が必要です。

    左がXREAL Beam、右はXREAL Air 2

    XREAL Beamにより可能になる3つの表示形式

    「XREAL Air 2」単体で接続した場合は、頭の動きに空間ディスプレイが付いてきて、目の前に常に表示されるAir Casting(エア・キャスティング)モードにしか対応していませんが、Beamを使うと以下の3つのモードでの表示が可能になります。

    ①Body Anchor(ボディアンカー)

    3DoFトラッキングにより、頭を動かしても空間ディスプレイが空中に固定されるモードです。実際のディスプレイやスクリーンを見るように画面を見ることができます。

    DoFの解説はこちらをご覧ください。

    ▽関連記事:3DoFと6DoFの違いとは?【知っておきたいXRの専門用語】
    https://www.xr-lifedig.com/beginner/240325_01

    ②Smooth Follow(スムーズフォロー)

    極力ブレや振動を抑えながら、画面が顔の動きについてくるモードです。飛行機や電車などの細かい揺れが発生する場所でも快適にコンテンツを楽しめます。カメラの手ぶれ補正のようなものをイメージするとわかりやすいでしょう。

    ③Sideview(サイドビュー)

    画面を小さくし、横に移動できます。作業しながらの動画視聴などにオススメです。

    その他にも、表示されるスクリーンとの距離を調整できたり、DTS(※)により素晴らしいサウンド効果を得られたりします。 

    ※DTSとは、映画、テレビ放送で使用される音声のデジタル圧縮記録・再生方式の名称・ブランドのことです。圧縮率が低いのが特長で、元になる情報量が多く高音質なサウンドが楽しめます。

    ▽対応端末一覧はこちら
    https://www.xreal.com/jp/support/air/

    公式アプリ「Nebula」でより快適に

    公式アプリ「Nebula」は2024年7月3日現在、Android向け・MacBook向けが公開されています。

    <Android向け>

    以下の2つのモードがあります。

    ・AR Space(ARモード)

    XREAL Airシリーズ専用のホームアプリやサービスアプリが使用できます。XREALやサードパーティーの開発者が作成したARコンテンツを楽しめるモードです。3DoF表示対応なのでARを存分に楽しめます。

    ▽詳細・対応機種はこちら
    https://www.xreal.com/jp/experience/?ar-space

    ・Air Casting

    スマートフォンやPCの画面がそのままグラスの空間ディスプレイに表示されるモードです。

    ▽詳細・対応機種はこちら
    https://www.xreal.com/jp/experience/?air-casting


    <MacBook向け>

    ウインドウの複数表示が可能になっています。

    ・Virtual Desktop

    空間ディスプレイを複数表示できるモードです。3DoF表示対応なのでARを存分に楽しめます。

    ▽詳細・対応機種はこちら
    https://www.xreal.com/jp/experience/?virtual-desktop

    なお、Windows向けもVirtual Desktopに対応とされていますが、2024年7月3日時点では「近日公開」表示となっていました。

    VRデバイスとは何が違うの?

    似たようなものとしてVRデバイスがありますが、実際にどのような違いがあるのか、筆者所有のVRデバイス「Meta Quest 2」と比較・検証してみました。

    ①VRデバイスとARグラスの違い

    最も大きな違いは、「Meta Quest 2」はVRデバイスに分類され、「XREAL Air 2」はARグラスに分類されるというところです。

    ・VRデバイス:目の前をゴーグルで覆い、前面に覆われたディスプレイに映った仮想空間を見るもの。実際の風景は見えず、仮想の世界に没入します。

    ・ARグラス:メガネやサングラスのように実際の風景が透けて見えており、そこに任意の情報を映し出すもの。現実の風景にデジタル情報を重ねて表示します。

    仮想現実(VR)と拡張現実(AR)の違いについて、詳しくはこちらをご覧ください。

    ▽関連記事:VRとARの違いを3秒で説明する画期的方法「眼の前の景色が変わるのがAR」と覚えればOK
    https://www.xr-lifedig.com/beginner/202403_05

    ②デバイスの大きさ

    目の前を完全に覆ってしまうVRデバイスに比べて、ARグラスは非常に小型で軽量。
    「Meta Quest 2」と比較してみるとなんと重さは約7分の1です。

    ・Meta Quest 2:503g
    ・XREAL Air 2:72g

    「Meta Quest 2」は、長時間使用すると首や体への負担が大きく疲れを感じますが、「XREAL Air 2」は普通のサングラスよりも少しだけ重い程度で、体感は非常に軽いです。また、サイズも普通のサングラスを一回りほど大きくした程なので、持ち運びもとても楽です。

    ③ファッション性が高い

    「XREAL Air 2」は多少厚みがあるので、少しだけ浮いているように見えますが、個人的にはカフェや街中で使用しても違和感がないデザインだと思います。

    「Apple Vision Pro」や「Meta Quest 3」にもフルカラーのパススルー機能が搭載されており、現実の世界をデバイスに投影することが可能ですが、これらのデバイスをカフェや街中で装着するとなると、かなり注目を集めてしまうので外で使うのにはなかなか勇気が必要です。

    写真手前の小さなレンズ部分に空間ディスプレイが投影される。奥のメガネレンズはサングラスのように暗めの色となっているため、空間ディスプレイが見やすくなっている。

    多少厚みはあるものの、VRデバイスのような違和感は感じない

    このデバイスの真骨頂は「ながら」使いにアリ!

    いろいろと試してみて、筆者の中で一番しっくり来たのが「ながら」使いです。

    今までは、何か作業をしながら楽しむとなると音楽、ラジオ、Podcastなど視覚を奪わないものに限定されてきました。

    しかしこの「XREAL Air 2」は、現実の風景にスクリーンを重ねて表示することができるので、作業をしながら映画鑑賞やYouTube視聴など、視覚を必要とするコンテンツを楽しむことができます。

    私の場合、これまでは家事をしながら音楽やYouTubeの音声だけを聞いたりしていたのですが、「XREAL Air 2」を使うと、家事の最中でも動画や映画を視聴できるようになって、家事の時間がさらに楽しくなりました。

    特に映画などの長尺コンテンツはなかなか見る時間を取れずにいたので、とてもありがたいです。

    他にも、ジムのトレーニング中や新幹線での移動中も大活躍でした。

    手がふさがらず、固定する場所も必要ないのは本当に革命的です。

    おすすめはGalaxyのDeXモード対応機種との接続

    ここからは少しだけマニアックですが、個人的におすすめの使用環境をご説明します。ズバリ、DeXモード対応のGalaxyとの接続がおすすめです!

    筆者は現在「Galaxy Z Fold5」という折りたたみのスマートフォンを使っているのですが、この「Galaxy Z Fold5」にはDeXモードという、外部ディスプレイに接続するだけでPCのように扱うことができる機能が搭載されています。

    この機能に対応しているGalaxyシリーズのスマートフォンであれば、「XREAL Air 2」とキーボードを持ち歩くだけで、PCで作業するような環境を構築できます。

    筆者もカフェでこのセットを使い作業しました。
    PCを持ち運ぶよりも圧倒的に荷物が少なく、大画面で作業ができるため、とても快適でした。

    XREAL Air 2のあと一歩なところ

    ここまで「XREAL Air 2」の良いところを紹介してきましたが、正直に言うと、あと一歩な部分もあります。

    ①Air Castingでは画面の端が見づらい

    普段、画面を見る際には目の動きと頭の動きの両方で視点を移動させているかと思います。

    しかし、「XREAL Air 2」をAir Castingで使用している場合、頭の動きに画面がついてきてしまうので、画面の端を見る際には目の動きのみで視点を移動させなければならず、慣れるまでかなり違和感がありました。

    ②視野角の狭さが気になる

    画面を固定して表示できるBody Anchorを使った場合、頭を動かした時にリアルでの見え方よりも画面が見切れやすく、こちらも慣れるまでは使いづらさを感じました。

    「Nebula」を使用したマルチウィンドウ機能Virtual Desktopも、視野角の狭さが気になりました。

    VRデバイスである「Meta Quest 2」でマルチウィンドウを使った時と比べて使いづらい印象でした。

    もう少し視野角が広ければ複数の画面を同時に見られるので、より便利になるのではないでしょうか。

    あまりの良さに購入を検討

    今回、「XREAL Air 2」は3週間ほどレンタルして使ってみたのですが、使い勝手が良かったので、購入を検討しています!

    体験を通して特に感じたのは、タイムパフォーマンス(タイパ)と呼ばれる時間に対しての効率性を重視する、昨今の風潮との相性の良さです。

    普段退屈だと感じていた、家事などの両手がふさがっている時間に動画を視聴できるのは非常に便利で、このデバイスがライフスタイルを大きく変えるかもしれないと思いました。

    いつでもどこでも大画面で動画やゲームを楽しみたい方、持ち運び用のモバイルディスプレイの代わりとして考えている方は特におすすめです。

    家電量販店の店頭やレンタルサービスなどもありますので、ぜひ実物を触ってみてはいかがでしょうか。

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