トレンド

「脱出ゲームに行ってみたい!」アラフォー男性の夢をVRChatが叶えてくれました

2024.04.22

「脱出ゲームに行ってみたい!」アラフォー男性の夢をVRChatが叶えてくれました

「脱出ゲーム」というコンテンツをご存じでしょうか?

密室や施設などから脱出するために、用意された様々な謎を解き明かし、その場所から脱出するというゲームで、PCやスマートフォンアプリなどで楽しむことができます。

そして、「脱出」と「謎解き」という要素を組み合わせた体験型の謎解きエンターテインメントとして、「リアル脱出ゲーム」が日本各地で開催されています。

私は、謎解きやひらめき問題をスマートフォンアプリやYoutubeなどで毎日楽しんでいるような謎解きマニアなのですが、「リアル脱出ゲーム」に参加したことがありませんでした。

こんなに謎解きを愛してやまないのに・・・

しかし、VRChatが「リアル脱出ゲームに参加したい!」という私の夢を叶えてくれました!

目次

    おじさんが一緒に行く友達を探すのは大変

    私は、謎解きゲームが大好きで、毎晩何かしらのコンテンツで謎を解き明かしている謎解きマニアです。もちろん密室から脱出する「脱出ゲーム」などもたくさんプレイしてきました。

    そんな謎解きが大好きな私ですが、リアル脱出ゲームに参加したことがありませんでした。

    なぜかというと「一緒に行く人がいなかった」からです。

    このリアル脱出ゲームは、どうやら一人でも参加できるものもあるらしいのですが、基本的にはグループで参加することが多いのが特徴。

    私が30代後半の男性ということもあり、周りの友人は、ゴルフや旅行など大人の休日の楽しみ方をしている中、「一緒にリアル脱出ゲームに行かないですか?」ということが、なんとなく気恥ずかしいと感じていました。

    私自身も既婚のため、週末は家族との時間を過ごすことが多く、同じような所帯持ちの同年代の友人を誘うことにも気が引けていました。

    開催場所に行くのも大変

    一緒に行く人を集めることも大変ですが、実際に行くことも大変です。

    私は都内に住んでいるため、比較的近い距離に常設のリアル脱出ゲーム施設があったり、イベント開催もそれなりに頻繁に行われていたりしますが、これが地方に住んでいるとなった場合は、現地に行くということがそもそも困難になるでしょう。

    人を集めることも、実際に行くことも大変だ・・・と思っていたところ、「VRChatのワールドに脱出ゲームがある」と知り、その手があったか!と歓喜しました。

    ちなみにVRChatとは、バーチャル空間にアバターを着てログインし、さまざまなユーザーとコミュニケーションを取ることのできる「ソーシャルVRプラットフォーム」です。

    ▽関連記事:【VRChat初心者講座#01】今更聞けない!?世界最大のVRのSNS「VRChat」の始め方
    https://www.xr-lifedig.com/series/240415_01

    実は流行り始めているVRChatの脱出ゲーム

    調べてみると、X(旧Twitter)でVRChatの脱出ゲームをクリアしたと報告するポストも多く見受けられ、クリアを報告することもセットでVRChat内の脱出ゲームは楽しまれています。

    「VRC 脱出」などで検索をしてみると、実際に脱出報告をしているポストや、新しくリリースされた脱出ゲームなどの情報も上がっており、その盛り上がりを確認できるかと思います。

    勇気を出して「脱出ゲーム」に誘ってみた

    私自身はVRChatは初心者なのですが、VRChatに精通している友人にお願いしてみました。

    「VRChatで流行っている脱出ゲームのワールドに行ってみたいんだけど、一緒に行かない?」

    「お!VRChatに興味を持つとは!行こう行こう!」

    とそれまでの杞憂はどこへやら。誘い方としても、「VRChat>脱出ゲーム」という話し方ができたため、気恥ずかしさもかなり抑えられて誘うことができました。

    そして、本来なら発生する「脱出ゲームの会場に行く」というもう一つのハードルも、VRChatのワールドにワープするだけで完結してしまうため、「VR」と「脱出ゲーム」の相性は抜群です。

    すぐに数人集まり、ワールドと日時を決めてサクッと行くことが決定しました。

    VRChatで脱出ゲームを体験してみた

    初期アバターで何をすればいいか困り果てている私

    無料で公開されているワールド「謎解き部屋 by Coicoi0055」というところに行ってきました。

    ▽謎解き部屋 by Coicoi0055
    https://vrchat.com/home/launch?worldId=wrld_3482db7c-4374-4a5c-bceb-f87788d01236

    最初は不慣れだったため、「何をしていいか」「何をしないといけないのか」がまったくわからず、部屋の中をぐるぐると回っていました。

    やっと引き出しを開けられるということに気付き、魚のオブジェクトを発見。それがカギとなって扉が開けられるのでは?ということがわかりました。

    オブジェクト:「物体」や「目的」を意味する言葉で、画面上の操作対象を指すことに多く使われる言葉

    オブジェクトをつかんで、扉所定の位置に持っていくと「カチッ」と音がして、扉が開きました。

    鍵を開けられることに気付いた私

    この「カチッ」という音は、私の短いVRChat体験の中で最も素敵な音色をしていました。

    ・・・たっ、楽しい。

    謎解きに集中して一人黙々とプレイ

    謎解き部屋で躍動する私

    解き方やVRChat内での操作方法がわかった私は、まさに「水を得た魚」状態。得意の謎解き力で、一緒に参加してくれた友人を置き去りにしてどんどんと謎を解いていきました。

    自己中心的なプレイだと思いましたか?いえいえ、そんなことはありません。

    今回訪れたワールドは協力して一つの謎を解くタイプではなく、自分で各オブジェクトを操作しないと扉が開かないタイプの謎解き部屋でした。

    要するに、私の扉は開いていたとしても、他に参加している人でまだ謎を解き明かしていない場合は扉が開いていないという状態です。

    謎の解き方がわからない人や、オブジェクトの場所がわからない人から、ボイス通話で「これどうやって解いたの?」と質問されたら、答えてあげるというスタイルで進行してました。

    質問されていないのに「こうやったら謎が解けるよ!」と言うほうがマナー違反に当たるということです。

    謎解き自体は誰にも邪魔されずに一人で進行していけることも、謎解きマニアとしてとてもありがたいと感じました。

    読んでいて「あれ?」思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、今回訪れたワールドは、全員の協力プレイが必要なタイプではなく、謎を解けば一人でもサクサク次の部屋へ移動できたため、実際は一人でも体験可能だったことは後からわかりました・・・笑

    しかし、友人たちと助けたり助けられたり、ワイワイ盛り上がって楽しむことができ、複数人ならではの体験ができました!

    1時間ほどで最後の扉を開いてゴール

    最後の謎の扉を開けたことに喜びのあまりポーズを決める私

    時には一人で突き進み、時にはアイディアを出し合ってプレイし、およそ1時間ほどで脱出ができました。

    VRChatに慣れていないために、段差や細い道で落下してしまうことや、オブジェクトがなかなか掴めないなどの困難もありましたが、それもまた没入感を与えてくれました。

    途中の部屋はネタバレになってしまうので、興味のある方は実際にプレイしてみてください。

    体験してみての感じたVR脱出ゲームの良いところ

    やはりVRと脱出ゲームの相性は抜群だと感じました。その理由が以下です。

    ①集合しやすい

    冒頭にも書いたように、現地に行かなくても良いためとても集まりやすかったです。

    ②スケジュール調整が楽

    移動などの時間もなく、平日の夜の時間帯でも都合が合えば行けてしまうことが非常に快適でした。

    今回も平日の21時に集まって23時には解散したので、就寝前のお楽しみという感覚で楽しむことができました。

    ③場所の制約にとらわれない

    脱出ゲームを開催する場所を本当に作ろうとした場合、大規模な土地が必要になります。

    今回プレイしたワールドも複数の部屋が用意されており、これを実際に用意しようとするとかなりの敷地面積が必要になります。

    そういった制約がないからこそ自由に謎解き部屋が作れることは、大きなメリットだと感じました。

    ④VRならではの設計が可能

    リアル脱出ゲームの場合、怪我や事故につながるような構造の建物やオブジェクトは用意できません。

    しかしVR空間であれば、アスレチックのような危険を伴う構造だとしても怪我をする恐れがありません。むしろ現実世界では再現できない複雑な構造にしてしまうことで難易度を上げることが可能です。

    今回のワールドでも段差を飛び越えた先にある謎や、高いところに設置されている謎があり、普段では見られない視点での体験により、さらに熱中することができました。

    ⑤歩き疲れない

    リアル脱出ゲームでは、かなりの時間歩くことになるかと思います。しかしゴーグルをつけているだけなので、体力面での疲労はほとんど感じませんでした。椅子に座ってプレイしていたので、しんどくなれば座る向きを変えるなどで簡単に調整が可能でした。

    ⑥待ち時間がなく予約も必要ない

    リアル脱出ゲームの場合は、同じ施設で同時に複数グループが参加するということはできないため、自身の番が回ってくるまで、順番待ちをする必要があります。人気のイベントの場合は、かなりの時間並ぶ可能性も。

    また参加したいリアル脱出ゲームによっては、人気のため予約がいっぱいで参加しようにもできないこともありますが、VRChatであれば予約の必要もありません。

    VR空間での脱出ゲームの場合は、集まったら即開始できるというところもメリットの一つだと言えそうです。

    体験してみての感じたVR脱出ゲームの悪いところ

    そこまで悪い点は見当たりませんが、VR酔いは起こる可能性があるため、ある程度慣れている必要性を感じました。

    また、まだまだリアルな空間を再現しきれているワールドは限られているため、あくまでゲームの世界という感覚は否めませんでした。ただ、謎解きマニアとしての欲求は満たしてくれたので十分満足のいくコンテンツでした。

    VRChatで何をしてみたらいいかわからないという人は、ぜひ謎解きワールドを見つけてやってみてはいかがでしょうか。

    謎解きワールドを探す場合、VRChat上で探すよりも、ネット検索やX(旧Twitter)で「VRChat 謎解き」や「VRChat 脱出」と検索すると、たくさんヒットするのでおすすめです。

    それでは、私は今宵も新たな謎を解き明かしにVRの世界へダイブしてまいります。

    (文:吉尾 峻)

    この記事を共有する

    関連記事