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透過率とは?透過率の調整技術やXR体験に与える影響を解説!

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透過率とは|光や音などが物体を通り抜ける割合のこと

透過率とは、光や音などが物体を通り抜ける割合のことです。

たとえばサングラスの場合、光がレンズを通り抜ける割合を透過率と呼びます。

レンズの色が濃いほど透過率は低くなり、目に届く光の量が少なくなります。

透過率は、音など、光以外のものに対しても使われますが、本記事ではXRデバイスにも関わりのある、光の透過率について解説します。

光の透過率の種類は大きく2種類

透過率に関してとくに知っておきたいのが、下記の2つです。

  • 可視光線透過率
  • 紫外線透過率

この2つの透過率についてそれぞれ解説します。

可視光線透過率とは|レンズを透過する光の割合のこと

可視光線透過率とは人の目で見える光の透過率です。

光には人の目で認識できるものとできないものがあり、人の目で認識できる(見える)光が「可視光線」です。

たとえばサングラスのレンズの場合、薄く明るいカラーのレンズでは可視光線透過率が高く、濃く暗いカラーのレンズでは可視光線透過率が低くなります。

紫外線透過率とは|レンズを透過する紫外線量の割合のこと

可視光線とは逆に、人の目では認識できない(見えない)光もあります。紫外線もそのひとつであり、レンズを透過する紫外線量の割合が紫外線透過率です。

紫外線は長時間浴びると目や肌に悪いとされており「UVカット」として紫外線対策を施したメガネやサングラスがあります(UV=Ultra Violet)。

ただし、可視光線透過率と異なり、レンズのカラーや色の濃さと紫外線透過率は必ずしも比例しない点に注意が必要です。

電気で透過率を調整する「エレクトロクロミック調光技術」

エレクトロクロミック調光技術とは

たとえば、現実世界の光景とデジタルオブジェクトが同時に目に入るARグラスでは、光の透過率がXR体験の質にも影響します。そのため、ARグラスの中にはもともとレンズに色がついているサングラスタイプや、透過率を調整できるよう、サングラスのように色のついたシェードなどが付属しているデバイスもあります。

また、メガネやサングラスの中には、可視光線や紫外線に反応してレンズの色が変わる「調光レンズ」が使われているものがありますが、一部のXRデバイスでは、電気的な刺激を加えることで光の透過率を調整する技術を採用しています。

「エレクトロクロミック調光」と呼ばれる技術です。

エレクトロクロミック材料と呼ばれる物質に電圧をかけると、色や透明度が変化します。

この現象(エレクトロクロミック現象)を利用して、レンズの色を透明状態から、ほぼ黒に近い状態まで自由に変化させられます

たとえば、XREALのARグラス「XREAL Air 2 Pro」は、エレクトロクロミック調光技術により、レンズの透明度を0%・35%・100%の3段階(※)に変更可能です。

屋内・屋外問わず、あらゆる照明条件下で快適に利用できます。

(※)Xreal Air 2 Proでは、エレクトロクロミック調光におけるグラスの明るさ(暗さ)について、透過率ではなく、遮光率を元に0%・35%・100%という呼称が設定されており、0%が明るく、100%が暗い見え方になっています。

また、エレクトロクロミック調光技術を採用している製品には、一部のXRデバイスのほか、自動車のミラーやサンルーフ、建物の窓ガラスなどがあります。

光の透過率を変化させると、まぶしさを抑えられるほか、室温の上昇を抑えたり、プライバシー保護の役割を果たしたりするなどの効果があります。

透過率の調整機能がXR体験に与える2つの影響

透過率の調整機能(調光機能)があると、XRデバイスの利用にどのような影響があるのでしょうか。

以下の2つの視点から解説します。

  • 現実とデジタル空間への没入感の調整
  • XRデバイス使用時における目の疲労軽減

現実とデジタル空間への没入感の調整が可能

XRデバイスに調光機能が加わると、単に画面の明るさを調整するだけではなく、ユーザーの没入感やXR体験の質が向上します。

たとえば、ARやMRなどのコンテンツでは、明るい屋外では光の透過率を下げ、逆に日光の入らない・入りにくい屋内では透過率を上げることで、現実世界の光景とデジタルオブジェクトをバランスの良い明るさで見られます。

「バランスのよい明るさ」とは、必ずしも「現実世界の光景とデジタルオブジェクトが違和感なく、なじんで見える」だけではありません。

先述したXREAL Air 2 Proの調光機能のように、場合によっては、あえて現実世界の光景を見えにくくすることで、デジタルオブジェクトをより見やすくする場合もあります。

XRデバイス使用時における目の疲労軽減につながる

XRデバイスにおける3D表示は、現実世界の光景を見る場合とは目の働きかたが違うため、2Dディスプレイを見るときよりも目が疲れやすいです。

目の疲労の原因として多いのが「目の使いすぎ」であり、目の疲労対策としてはグレア防止が効果的とされています。

グレアとは、電子機器を扱う際、外光や景色、照明の光などが映り込んで、画面が見えづらくなったり、眩しさを感じたりする現象を指します。

グレアがあると画面が見づらく、凝視をすることで目の疲労につながります。

XRデバイスに調光機能があると、透過率を調整し、グレアを感じにくくできます。

XR体験の快適性を向上させるだけでなく、目の疲労軽減にもつながるでしょう。

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